【朗読】或日の大石内蔵助/芥川龍之介

あおなみ

こんにちは!
今回は芥川龍之介の『或日の大石内蔵助』という作品です。

目次

作品の背景

元禄時代の日本を舞台にしています。

この時代は、江戸時代の一部であり、特に忠臣蔵の物語が生まれるきっかけとなった赤穂事件(1701-1703年)が重要な歴史的背景となっています。

元禄時代と赤穂事件

元禄時代は、江戸幕府が安定していた時期で、経済や文化が大いに発展しました。

この時期には、町人文化が花開き、歌舞伎や浮世絵などが人気を博しました。

一方で、武士階級の間には主君への忠誠心が強く求められる時代でもありました。

赤穂事件は、赤穂藩の藩主浅野内匠頭が江戸城内で高家旗本の吉良上野介を斬りつけた事件に端を発します。

この事件により浅野は切腹を命じられ、その家臣たちは主君の無念を晴らすために吉良邸に討ち入りを決行し、最終的には全員が切腹するという忠義の物語です。

これが忠臣蔵として広く知られ、多くの文学や演劇の題材となっています。

あらすじ

元禄時代の日本を舞台に、忠臣蔵の英雄である大石内蔵助の人間味あふれる一日を描いています。

江戸の一角、松の廊下での事件から47士の討ち入りまでの歴史的な背景を背負った大石内蔵助は、多くの物語や演劇の題材として知られていますが、芥川はその英雄的な姿を超えて、内蔵助の人間性や心の葛藤を鮮やかに描き出しています。

物語は、討ち入りを前にしたある日の内蔵助の一日を追っています。

この日は特に何も起こらない日常の一日でありながら、内蔵助の内面世界を深く掘り下げる貴重な機会となります。

彼は、豪華な屋敷に住み、忠臣たちと共に厳しい状況に置かれていますが、その中でも人間としての弱さや不安を抱えています。

家族との触れ合いや忠臣たちとのやり取りを通じて、彼の複雑な心情が浮かび上がります。

芥川の筆致は、内蔵助の心の動きを丁寧に捉え、彼が抱える内面的な葛藤を巧みに描写しています。

英雄としての強さと人間としての弱さ、その相反する要素が内蔵助という人物をより立体的にし、読者に深い共感を呼び起こします。

芥川の繊細な描写力によって、大石内蔵助という人物の新たな側面が浮き彫りにされ、読者は彼の心の奥底にある真実を垣間見ることができます。

歴史や忠臣蔵に興味がある方はもちろん、深い人間ドラマを楽しみたい方にもおすすめです。

読んだあとの所感

あおなみ

初見読みでは、あまり理解できなかったけど
作品の背景や経緯を調べてみると「なるほど~」って繋がる部分が多かったですね。

人の心理を事細かに表現する芥川には毎回驚きです。

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